OAKは心理アセスメントの研修会
本日は、研修会のご案内をいたします。
少し読み物として書きますので、
初めての方にも
お付き合いいただければと思います。
私は、
心理サポートを行なっておりますが、
臨床心理学の学者という側面もあります。
そして、学問において
「専門分野はなんですか?」と聞かれると、
「アセスメントです」と答えています。
心理検査も要素のひとつですが、
もっと広い意味での心理アセスメントを指します。
私は、心理アセスメントを
「心的支援を行なうために必要充分な情報を把握すること」
と定義しています。
(今なら「心的」という部分を「心理面の」とやさしい言葉を使いますが、
長年に渡って「心的」と書いてきたので、いまさら変えるわけにもいかず…)
心に関する支援をされている専門家の方々には、
「アセスメントは重要だ」、つまり
ここでは「心的支援を行なうために必要充分な情報を把握することは重要だ」と、
共感していただけるのではないでしょうか。
心理アセスメントは、
あらゆる心理面の支援に通じるものであるため、
「学問の専門領域」のひとつと
認めてもらえない場合が多々あります。
しかし、私は、
この精度を高めることこそが学問の本質と考えており、
「専門はアセスメント」と言っています。
OAKは、アセスメントの能力を向上させていくことを目的とした
ワークショップ型の研修会です。
研修会の内容
参加された方から、帰り際に
「5時間があっという間」
「疲れた感じがしない」
という感想をいただいたことがあります。
OAKでは事例の検討などを行ないますが、
5時間の研修中、
いつ手を挙げて発言をしても良いというのがルールです。
と言っても、講師役の私がどんどん参加者に発言を促しますので、
かなり濃密ですし、
きっと疲れもあるでしょう。
それでも、みなさんが集中力を高めて参加されるので、
「長い」と感じないのかも知れません。
また、
終わったあとに帰り道での疑問やモヤモヤを残さないという方針を
研修会の冒頭にお伝えしています。
少人数だからこそ、実現できる研修会です。
これまでのアンケート結果
OAK vol.4「自殺のリスクをアセスメントする」と
OAK vol.5「認知症をアセスメントする」の
アンケート結果を公表しています。
参加された方々のコメント(公開可能の枠にお書きいただいたもの)が
全文で載っているので、ご参考まで。
悪い評価だとは思いませんが、
オール5こそが参加者の最大の満足と考え、
それを目指して、
今後も研修会を進化させていく所存です。
OAK、苦難の歴史
私の開業している川越こころサポート室もそうですが、
OAKにおいても、
心理サポートがより適切なものになるように、
なにができるかを考えて自発的に内容を組み上げております。
その背景として、
私には、
心にまつわるあらゆる概念が正しく組み立てられたなら、
全ての臨床心理学は上下なく、等しく、
同じ世界に収まるという考えがあります。
これを平たく言うと、
学問全体が本当に成熟したら、
どの支援の対象者にも、その人に
より適した心理サポートを選択して提供できるようになるということです。
学派や大学、学会の在り方を批判するつもりはありません。
私はそうした存在が必要と信じ、
常に好意的ですし、敬意を持っています。
ですが、
「自らの専門領域を特定する」という
既定のレールに乗っていては辿り着かないものを想定して
初めて成り立つのがOAKの理念なのです。
別に、現状に対してアンチな志向などではありません。
「専門は心理アセスメントです」と言っても、
私の前に道が無く、先達がいなかっただけなのです。
ただ、無い道を切り開くのは、私のような人間にとっては
案外と楽しいものです。
「アセスメントが専門とは、良いところに目を付けたね」と
おっしゃっていただけることに、誇らしさもあります。
しかし、いかんせん、
独自の取り組みを展開して、苦労するのはお金です。
理想を追求すれば、その代わりに出費がかさんでしまうのです。
OAKは毎回、大赤字です。
とりわけ一番掛かるのが、広報費です。
何百通という告知の郵便を発送しても、定員に満たないのが常です。
今回、ご参加いただけると嬉しく思いますが、
少しでも関心を持っていただき、
また、
周りの方に「こういう研修会がある」という存在だけでも
お伝えいただけると、とても助かります。
次回のテーマは「怖いをアセスメントする」
OAK vol.6のテーマは、「怖いをアセスメントする」です。
過去の回ではテーマを絞ることでブレないように心掛けてきましたが、
今度はあえて広いです。
「怖い」ですから。
状況や状態などによって、
ものすごくたくさんの要素がアセスメントに絡んできます。
研修会としては内容がブレてしまわないためには、
「支援の対象者が「怖さ」を体験したり、そう発言した時に、
それを漠然と捉えるのではなく、
しっかりとアセスメントできるように」
といった目標の共通認識が軸となるでしょう。
果たして、参加してくださる方々と、
有意義な研修会を作り上げることができるのか、心配ですが、
開催するからには「できる」と信じましょう。
日時:2019年10月14日(月・祝)13:00~18:00
場所:小江戸蔵里つどい処・会議室
定員:先着10名
参加費:2,800円
詳しくは、特設サイトをご覧ください。
参加資格
心的な支援に関する専門資格をお持ちの方、
および資格の取得を見込む方に限らせていただきます。
また、
臨床心理士資格の更新ポイントに関しては、
ワークショップ枠で2ポイントが付与されます。
以前は「研修会の審査が通った場合には」といった文言を添える必要がありましたが、
日本臨床心理士資格認定協会にお問い合わせをしたところ、
OAKにはこれまでに承認されてきた実績があるので、
断言した記載をして良いとのことでした。
臨床心理士の方にはポイントの面でも特におすすめです。
周りに臨床心理士の方がいらっしゃいましたら、ぜひお伝え願います。
最後に
このブログに書かれていることは、
「技法ありき」や「オリエンテーションありき」の考え方ではありません。
ですが、
だからといって、皆さんにとってなじみが無いものだとも思いません。
どなたにとっても、アセスメントは
実践の中で常に接していて、なによりも身近な取り組みのはずです。
研修会の場で、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
ぜひご参加ください。
鹿野 豪
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