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不全感と生きる

扉絵

なにかしらスッキリしない事がらを経験した時に

誰の心にも必ず生じる『不全感』という感覚。

 

スッキリしなかったり、ハッキリしなかったり、

充分に満たされなかったり…。

そんな時に湧いてくるのが『不全感』です。

  

みなさんは『不全感』とどう付き合っているでしょうか?

不全感の自覚

ところで

ご自身の『不全感』の覚え方は

どのくらい把握していますか?

 

「今日は不全感が強めな日だ」

「この件はやっぱり不全感がともないがち」

「人との関わりには不全感がつきものだ」

 

そんな感じで心に生じる『不全感』の存在を

自分でそれと認識しているかどうか。

または予測して対応しているかどうか。

 

その程度については、

個人差があったり

同じ人でも時と場合で異なるのでしょう。

不全感のおとしどころ

強い『不全感』は和らげていくのが心に優しいです。

 

「今日は不全感が大きかった中で、心も頑張ってたと自分でねぎらおう」

と考えてみるも良いですし、

なにかしら行動をともなって

「さて、気分転換に好きな曲を聞こう」

「夜は料理を1品作って達成感を味わおう」

「よし、ここは深呼吸だ」

とったことが効果的かもしれません。

 

『不全感』は時間とともに緩和していくといった面もありますが、

自覚して

意図的にケアできるとより良いと考えられます。

 

一方で、

欲求の不充足に対して

むやみに短絡的に補おう、解消しようとすることを

心理学では『行動化』と言います。

一時的に効果はあるものの、

長い目で見たらあまり良い結果に繋がらない行動を指します。

 

『行動化』には様々な種類があります。

自分や他者を傷つけるといった『行動化』は

できるだけ減らしたいですね。

 

『不全感』をどう和らげるのか、または

その中途半端な感じを心の中でどう保持して

『行動化』に直結させないようにするのか、

それらを検討することは

心の健康に直結していると言えます。

グレーを作る

『不全感』というのは

どこか中途半端さを含んだ感情です。

 

けして心地のいいものではありませんが、

そんな中途半端さを安全に心に置いておけることが肝心です。

一旦はそのまま保持して味わいつつ、しっかりと和らげていくのです。

 

その反対は白黒的な捉え方。

白か、黒か。

極端な「どちらか」の捉え方。

この認知の仕方になじんでいる心理状態においても

『不全感』から『行動化』へと

直結しやすくなることでしょう。

 

白黒の間のグラデーション、グレーの部分を

心に作っていきましょう。

 

「受けとめ方が白黒になっていないかな」

「発想が極端になっていたな、次から気を付けよう」

「今は『不全感』を味わいつつ、和らげる方法を考えよう」

「モヤモヤするから誰かに話を聞いてもらおう」

 

そんな日頃の気づきと心がけが

心に白か黒に行き過ぎない

グレーの部分をもたらしてくれます。

不全感とカウンセリング

『不全感』は心の現象であり、目に見えません。

 

その要素をケアしていく上で、

またはセルフケアを身につけていく上で、

心理カウンセリングがお役に立つこともあると思います。

ぜひご利用ください。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

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