トラ&ミケ
ミケ(右)「新発売のキャットフード。昨日、うちで食べたの」
トラ(左)「へぇ」
ミケ「これまでのと違って、めちゃくちゃ柔らかかったよ」
トラ「そうなんだ~」
ミケ「どっちかと言うと歯ごたえがある方が好きなんだけど、柔らかいのも悪くないなって思った」
心理カウンセラー
こんにちは。鹿野です。
聴く技術のブログへようこそ。
心理カウンセラーが
話を「きく」と書く時には、
ただ耳で「聞く」のではなく、
語りとして「聴く」の漢字を用います。
親身に聴くことを常に心掛けています。
ただ実は、それだけではなく、技術の面もあります。
今回のブログでは、その断片をお伝えしようと思います。
話の場に注目
体験談をする際に、
ふたつの場面があるということは
普段、意識されているでしょうか?
「昨日、うちで食べたの」といったように、
過去に、どこかで、
経験したことを
いま、ここで、
伝えようとします。
場面は、おおきく言うと、これらふたつに分けられます。
「過去に、どこかで」と「いま、ここで」です。
過去に「ここで」というパターンもありますが
それも「どこか」に含めてください。
ゼア&ゼン
「ここではないどこかで」「過去に」。
英語ではそれぞれ
「どこか」=「ゼア(there)」
「過去に」=「ゼン(then)」と言います。
「あの時あそこで」は「ゼア・アンド・ゼン」と憶えてください。
ミケ「新発売のキャットフード、昨日、うちで食べたの」
これはゼア&ゼンの話です。
その時の感想が、次のように続きます。
ミケ「これまでのと違って、めちゃくちゃ柔らかかったよ」
これも同様にゼア&ゼンにおける体験です。
ヒア&ナウ
「ここで」「今」。
英語でそれぞれ
「ここで」=「ヒア(here)」
「今」=「ナウ(now)」と言います。
「いまここで」は「ヒア・アンド・ナウ」と憶えてください。
ミケ「どっちかと言うと歯ごたえがある方が好きなんだけど、柔らかいのも悪くないなって思った」
この内容は、たしかに「思った」が過去形ですが、
ミケが目の前のトラに自分の思いを伝えているところです。
トラは、いまここで、それを知ったわけです。
その意味ではヒア&ナウを見出すことができます。
ゼア&ゼンとヒア&ナウ
ミケ(右)「新発売のキャットフード。昨日、うちで食べたの」
トラ(左)「へぇ」
ミケ「これまでのと違って、めちゃくちゃ柔らかかったよ」
トラ「そうなんだ~」
ミケ「どっちかと言うと歯ごたえがある方が好きなんだけど、柔らかいのも悪くないなって思った」
この対話に、聴き手のトラの合いの手を足してみましょう。
ミケ(右)「新発売のキャットフード。昨日、うちで食べたの」
トラ(左)「へぇ。どんな感じだった?(1)」
ミケ「これまでのと違って、めちゃくちゃ柔らかかったよ」
トラ「そうなんだ~」
ミケ「どっちかと言うと歯ごたえがある方が好きなんだけど、柔らかいのも悪くないなって思った」
トラ「じゃ、ひとにオススメしたい?(2)」
ミケ「そうね。トラがまだ食べてないなら、1回試してみたら?」
(1)は、昨日の印象について(ゼア&ゼン)尋ねています。
(2)は、いまどう思うか(ヒア&ナウ)尋ねています。
もっとシンプルに、
「その時、どう思ったの?」「今はどう思う?」でも良いですよね。
他にも「口に入れた瞬間はどうだった?」と
ゼンを短く限定したり、
「あれからどう?考え方は変わった?」と
何日にもまたがるような長めにとった尋ね方もあります。
聴く技術は奥が深いのです。
※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは
川越こころサポート室が提供するものを想定しております。
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