『自己欺瞞 (じこぎまん)』 とは、
自分で自分をだますことです。
自分で自分に嘘をついたり、
本心と反対の態度をとったり…。
そういった思考や行動で、
自分自身をだましてしまうことなど、
あるのでしょうか?
するのも、
されるのも、
どちらも自分です。
自分の嘘に、
自分がだまされてしまうことなど、
あるのでしょうか?
…あるんです。
そういうことも起こるのが、
人の心の奥深さなのです。
ほとんどしないような人も
いるにはいますが、
たいていの人がします。
それ自体は恥ずべきことでもありません。
自身の自己欺瞞は、怖がるべきものでもありません。
「心には、そういう働きもある」と興味を持っていただければ
そこが理解を深めるスタートラインだと思います。
自己欺瞞という心の働き
「本人は自己欺瞞を自覚しているのか?」となると、
自覚していないのかも知れません。
そもそも、
自己欺瞞は自覚しにくいものなのです。
「不都合な事柄を自覚しないために
自己欺瞞をしているのだ」とも言えるでしょう。
自己欺瞞には、
自分の心を保つために行なう面があります。
一方で、
本心から目をそらすことで、
自分を苦しめてしまう場合もあります。
心の苦しさには個人差があるので
「このような」とは言えませんが、
共通しているのは、
心の中の自己欺瞞に縛られて、
苦しい状態になるという点です。
自己欺瞞を乗り越える
自己欺瞞と反対に相当するのは、「素直さ」や「正直さ」と言えるでしょう。
また、
自分を縛ってしまっている
という意味での自己欺瞞の反対であれば「自由」です。
心の素直さや、正直さ、自由を手に入れていくために、
なにができるでしょうか?
現実の場面で、
感じ方に素直になるよう心がけよう、
もっと正直にひとに話をしてみよう、
思い切って自分を縛っているものを打ち破ってみよう、
というのも、
確かに
上手くいく可能性はあります。
自己欺瞞と心理カウンセリング
私からのご提案としては、
現実の場面でそれらを試みるよりも
リスクが低いであろう方法に、
心理カウンセリングがあるということを
お伝えします。
心理カウンセラーは、
自己欺瞞をしなければならなかった現場にはいない、
第三者という他者です。
自己欺瞞に対して、
とやかく言いませんし、
むやみに指摘したり批判したりはしません。
そんな関係性を通じて安心して
自己欺瞞を解いていっていただければと思います。
そんな心理カウンセリングという場で
自らの体験をありのままに語ろうとすることで、
心は
素直でいられて、正直になっていき、自由にもなっていけると考えられます。
自己欺瞞の注意点
「自己欺瞞」という言葉は、
漢字がややこしい(私は読めますが書けません)
というのもありますが、
誰かが日常会話で使ってるのをあまり聞きません。
その理由は定かではありませんが、
人間関係で、
あえて弱みに触れないという美徳もあるでしょう。
本人にとって、
薄々は本当のことに気づいていても、
自分をだましておいた方が良いというのが
自己欺瞞なのです。
映画やドラマなどの
物語のクライマックスで
「あなたは自分の心に嘘をついてるんだー!」
というセリフはあるでしょう。
それまでのストーリーで積み重ねたことを踏まえて
人物の心情を知っていると「実はそうなんだよなぁ」と胸に刺さります。
ただ、日常では
めったに聞くことはありませんよね。
このブログを読んだ方が、
さっそく
周りに対して「それって自己欺瞞だよね」を
乱発してトラブルになっても、
私は責任を負えません。
『自己欺瞞』 は、
やや取り扱い注意な言葉でもあるのです。
※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは
川越こころサポート室が提供するものを想定しております。
他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。
鹿野 豪
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