栄養士さんやお医者さんではなく、
あくまで公認心理師・臨床心理士という立場の
私なので、
栄養について詳しいことは書けません。
今回は、栄養に関して
心理カウンセリングの視点で
書いていきたいと思います。
心と栄養の関係
まずは、心と栄養の関連性についてです。
医学では、
なにかしらの栄養素の極端な欠乏が
ホルモンのバランスなどに悪い影響を及ぼして
精神面に不調を引き起こすことがある
と、指摘されています。
私は専門外の立場のため
具体的な名称は書きにくいのですが、
栄養素というのは
ビタミンや、ミネラル、鉄分など、など、など…
と思ってください。
検査をすれば数値で示されるけど、どれだけ目をこらしても見えないもの…。
詳しくは専門書に当たったり
専門家の方に伺っていただきたいと思います。
ここだけ強めに言いますが、ズバリ、
「栄養の偏りによって心が不調をきたすこともある」のです。
実は、心理カウンセラーにとって難題と感じるのは、
「不調をきたすこともある」の「も」の部分なのです。
心理カウンセリングと栄養
私も心理カウンセリングの中で、
食生活について尋ねたり、
体質や、血色、爪の硬さの変化などを
確認させていただくことはあります。
例外と言えば例外ですが、
栄養バランスについてお話をさせていただくこともあります。
しかし、
心理カウンセリングは、ご自身の目的意識に沿うものであるため、
食事や栄養の管理を目的として自覚されている場合を除いて、
その他に関する心理面のケアを優先せざるを得ない原則があります。
「心理面でのサポートが欲しい」と思って
悩みを話そうと心理カウンセリングを訪れたのに、
「主に栄養の指導を受けた」「偏食を指摘された」というのでは、
ズレてしまっているというわけです。
「別に、食生活について指摘されたくはない」という方も
いらっしゃるかも知れません。
心理カウンセラーは、
栄養面の偏りを疑ってみることもあるでしょうけど、
医学的な検査をしていなければ
栄養素の欠乏が原因であると断言できません。
そこに難しさ、いわゆるジレンマがあるのです。
バランスの良い食生活
さて、これまでに
偏食には悪い影響を及ぼす危険性があるということと、
心理カウンセリングにおけるジレンマについて
書いてきました。
いずれにしても、
バランスの良い食生活を可能な範囲で続けていただきたい
という思いがあります。
では、バランスの良い食生活とは、なんでしょう?
さいわい、日本には様々な文化の食事を取り入れた
食生活を送りやすい環境があります。
「通常であれば」というくくりのもとでですが、
いろいろな食品を食べていれば大丈夫なはずです。
毎食同じものばかりを食べ続けないのもコツと言えるでしょう。
好きなものばかりではなく、
たまには「栄養のありそうなもの」も食事に取り入れましょう。
食生活と心理
偏った食生活を送りがちな心理の状態があります。
その偏りが良くないと薄々は勘づいていても、です。
経済的な限度により、食事に使える金額が限られている人もいます。
ですが、
例えば、もやし、豆腐、納豆、バナナ、安価な時期の野菜など、
工夫次第で栄養バランスを意識した食生活を目指す余地があるでしょう。
それでも、
気持ちの面でその方向に向いていかない場合があるのです。
気持ちの面、これは重大です。
食欲がわいてこない。
その他にも、
これまで噛みしめてきた不幸にすっかり馴染んでいるとか、
心の中の罪悪感による自罰的とも言える過度の節制であったり、
みじめさを具現化であったり、
投げやりになっていたり、
別の何かを大事にするあまりに食生活を軽んじていたり…。
様々な理由で、食を軽視してしまうのです。
実は、
「気持ちの問題なら、たいしたことないだろう」ではなく、
その逆で、
気持ちの問題だからこそ重大とも言えます。
急にではなく、時間を掛けてというイメージですが、
気持ちが整ってくると、食生活も自律的に整ってくる、
そんな流れも考えられるのです。
なお、
例えば施設に入居したことで半ば強制的に食生活が整い、
それにともなって気持ちが整う場合もあります。
どちらが先というわけでもないので、
柔軟な方針で考えていただければと思います。
サプリメント
さきほどの食事の項で「通常であれば」と書きました。
体質や状態によって、特定の栄養素が欠乏しやすい人もいます。
その栄養素の補充が食事では足りない時、
補助してくれるのがサプリメント、
通称、サプリです。
購入は、
薬局であったり、食品に分類されるものはスーパーや通販などでもできます。
サプリメントと心理
サプリメントを飲んでいるのに、
その内容には無頓着という方はいませんか?
「とりあえず飲んでおけば、なにかしら良いはず」
「誰かが「良い」って言ってたから」
などの理由で、なんとなく飲んではいませんか?
ご自身の体質に合っているのか、
飲み合わせに問題は無いのか、
摂りすぎになっていないか、
かかりつけのお医者さんや、薬剤師さん、栄養士さんがいれば、
ご相談してみてはいかがでしょうか。
サプリメントに頼りたくなるといったお気持ちがあれば
それを否定はいたしません。
心理カウンセリングでは、
栄養に関するアドバイスはできませんが、
どんな心のありようも受けとめながら
心身がより安定するように
一緒に考えていきたいと思います。
心理カウンセリングという場は、
批判や正論にさらされることなく、
思いを語れるところにしたいと考えています。
※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは
川越こころサポート室が提供するものを想定しております。
他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。
鹿野 豪
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