やつ当たりをしたり、
やつ当たりされたり。
それが現在も続いていたり、
過去に経験したことがあったり。
やつ当たりは不毛なのだと分かりそうなものですが、
今も昔も、この世にあり続けています。
その行為が
良いことではないと頭で理解できたとしても、
きっと心理的になにかしらの「意味」があるのでしょう。
今回は、やつ当たりの心理に迫ってみたいと思います。
やつ当たりをする相手
その相手とは、
本来、攻撃が向けられるはずではなかった相手です。
やつ当たりをする際に、
相手を選ばない人もいるでしょう。
弱い相手に向ける人もいるでしょう。
世間に見えにくい閉鎖的な場でする人もいるでしょう。
他の人の攻撃に便乗する人もいるでしょう。
いずれも本来、向けられてないはずの攻撃が向いているので、
理不尽ですし、関係性の上では理に適っているとは言えません。
やつ当たりで得るもの
やつ当たりをすることで
心理的な意味で
得ているものがあるとしたら、なんでしょう?
怒りや心配が収まらないタイプの人にとっては、
攻撃によって、憂さ晴らしのように感情を収めるでしょう。
自尊心が傷ついた人にとっては、
攻撃によって、かりそめに自尊心の回復を味わうことができます。
ストレスが溜まっている人には、
攻撃によって、ストレスの解消に繋がります。
脅威におびえる人にとっては、
攻撃によって、安心感を確保することもあるでしょう。
サディスティックな性格の人にとっては、
やつ当たりとはいえ、その性質を示したのだとも言えます。
やつ当たり以外に表現する方法が分からない人にとっては、
攻撃によって、なんとか自分の思いを伝えようとしていると考えられます。
心理的な意味では、やつ当たりにも「意味」はあるようです。
理不尽で理に適っていないと言っても、
その個人にとっては、得ているなにかがあるのです。
しかし、そのなにかが
別の方法で得られるのであれば、替えた方がよさそうです。
やつ当たりをせずに済む方法
上に書き記したことと対応して、
やつ当たりをせずに済ませる方法の基本的な方針を挙げてみましょう。
心の中を整理していくこともあるでしょうし、
行動や環境を整えることでも対応していけるかと思います。
怒りや心配が収まらない人は、
その感情をコントロールする方法を
個人で試みたり、他者のいる社会の中で見つけることがお勧めです。
傷つきを体験した人は、
その傷つきから回復する方向へと
攻撃(やつ当たり)以外の方法で踏み出していくことが
重要ではないかと思います。
ストレスが溜まっている人は、
その心理状態やストレスの原因を自覚した上で、
自分なりのストレス解消法や対処法を
探していくのはいかがでしょうか。
おびえている人、
実際、なにに対しておびえているのかは人それぞれでしょうけれど、
安心感の確保ができている間は、やつ当たりをせずに済むと思います。
サディスティックな性格の人は、
その性質を現実以外のゲームなどで発散して、
現実の他の人を犠牲者にしないように、
現実と現実以外の区別に努めるのが良いでしょう。
やつ当たり以外に方法が分からない人は、
攻撃以外の言葉や行為で表現をして伝えられることを
体験的に知っていく学びの積み重ねが助けになるでしょう。
ここで挙げたのは、あくまで
いくつかのパターンに過ぎません。
攻撃的な行為の克服は
実際には容易ではないことが多いでしょう。
やつ当たりと心理カウンセリング
やつ当たりに巻き込まれて
どうにもできなくなっているのでしたら、
心理カウンセリングでの取り組みはいかがでしょうか。
まずは、
その成り立ちを理解することに取り組みます。
このブログに挙げたパターンのどれかに当てはまることもあれば、
当てはまらないこともあったり、
複数が組み合わさっていることもあるでしょう。
「自分が実際に知っているやつ当たりは、
このブログのように単純ではない」という印象を持たれたなら、
その通りだと思います。
ブログでは簡略化して書くことしかできませんが、
心理カウンセリングでは
込み入った事情や複雑な思いに対応していきます。
補足:やつ当たりに含めなかったもの
今回、やつ当たりに似ているけれど、
含めなかったものもあります。
例えば、
なんらかの理由で感情や行動のコントロールを失い、
結果として関係の無い人に危害が及んでしまう場合です。
また、
攻撃行為を癖のように繰り返していて、
「やつ当たり」の意味よりむしろ、「癖のよう」に重心があるものについては、
それも今回は含めませんでした。
※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは
川越こころサポート室が提供するものを想定しております。
他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。
鹿野 豪
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