『心的エントロピー』
心理学の中でもマニアックな用語です。
今回は、前編と後編に分けて
『心的エントロピー』という言葉をご紹介します。
心のエネルギー
まずは、エネルギーの話をします。
たいていの車はガソリンや電気などで動いています。
人間の身体は体力で動いています。
心にも、
心を動かすエネルギーがあるのだと、
ここでは考えていきます。
なにか内や外からの刺激を受けて
心のエネルギーが湧いてくることもありますし、
それが足りなくなって心が疲れを感じることもあるでしょう。
心的エントロピーの高い心理状態
こんな心理状態を考えてみてください。
・心の中のエネルギーが高まっている。
それなのに、
・その心のエネルギーを使ったり発散したりできない。
その理由は、こんな感じです。
・なにかしら心のエネルギーが湧きあがってくる。
それなのに、
・心の中が整理できていない状態にある。
・心のエネルギーを使う目的や、方向性、活動がつかめていない。
ぐちゃぐちゃで無秩序な状態をカオス(混沌)と言います。
英語の発音は「ケイオス」ですが、
日本では昔から「カオス」の方が広まっているように思います。
心の中がカオス、
かつ、そこに
やり場の無いエネルギーの充満してしまっている状態、
それを
個人の「『心的エントロピー』が高い状態」と言います。
心的エントロピーが高いと
「『心的エントロピー』が高い」というのは
「心のエネルギーが高い」ということでもあるので、
使う目的や、方向性、活動を見出したタイミングで
ドンと使えるという可能性が、…確かにあるにはあります。
ですがその一方で、
心にエネルギーの充満が続いたために
それが過剰な負荷となって、
むしろ心の働きに停滞が起きたり、不具合や
イラ立ち、鬱屈などを生じてしまうことがあります。
身体面や生活習慣面の不調として現われる場合もあるでしょう。
また、ドンと心的エネルギーを使う時に
勢いで冷静ではない判断をしてしまうこともあります。
このように
『心的エントロピー』が高い状態には
高エネルギーであるという点で可能性があり、
その一方で、
まるで自滅するような危うさもあるのです。
ちなみに、心理学で
「『心的エントロピー』が高い」と言うと、
後者の、
心のエネルギーが無秩序に高まり過ぎた
危うい状態という意味で用いられることの方が多いです。
鹿野 豪
※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは
川越こころサポート室が提供するものを想定しております。
他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。
↓心理ブログ一覧はこちら
電子書籍のご紹介
amazon kindle(電子書籍)にて発売中