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無知の知について

扉絵

『無知の知(むちのち) とは、

哲学の祖と呼ばれる ソクラテスが示した姿勢です。

 

心理学は哲学から派生したとされており、

そこでは今でも

ソクラテスの姿勢が重要な意味を持っています。

基本的な考え方

『無知の知』の背景にあるのは、

「より多く知っている方が偉い」としがち

世の中の風潮であったり、個人の価値観です。

 

例えば、学校ではテストが実施され、

テレビではクイズがあり、

仕事によっては知識が求められるものもあるでしょう。

「知ってる」を高評価する風潮・価値観は

今も、ありがちだと言えるのではないでしょうか。

 

ソクラテスは、異を唱えました。

その姿勢でいては学びの限界がすぐにくると考えたのでしょう。

 

「自分は知らない」という立ち位置に

自らを置くことによって

さらなる知識が入ってくるし、もっとよく考えるようになる、

といった仕組みに気づき、

そして自ら「まだまだ知らない」という姿勢を

実践し続けたというのです。

それでも「自分は知らない」と言えますか?

「知ってる」と言うと、それ以上は誰も教えてくれないかも知れません。

「知らない」と言うと、もっと教えてもらえるかも知れません。

 

「知ってる」と思うと、自ずから満足して学ぶのをやめたり、守りの姿勢に入ってしまいます。

「知らない」と思うと、もっと知ろうという意欲が湧いてきます。

 

そうとは分かっていても

「知らない」と言うのは抵抗感が生じてしまう…。

そんな場面は、きっと珍しくないのでしょう。

 

古いことわざにも「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とあります。

つい「恥ずかしい」や「悔しい」という思いが勝って

素直に聞けるタイミングを逃してしまう体験は、

どの時代のどの場所にでも、あり得るのだろうと言えます。

今も、そして、これからもです。

心理カウンセリングとありのままの自分

ここで、よければ一度、チェックしてみてください。

 

「知ってる」を良しとする価値観が

身に染みついてはいませんか?

普段、周りから「知ってるべきだといったような

プレッシャーをかけられていませんか?

「見栄や意地を張らずにいられたら楽なのに」と

ったことはありませんか?

 

強がりだとは分かっていても、

自分自身の弱さと付き合うのを難しいと感じて、

そういうところから

目を背けたままの状態におちいるのは少なくないようです。

 

心理カウンセリングが重視するのは、

「ありのままの自分」に近づくことです。

カウンセラーは、ありのままの思いを大事にしながら、

生きづらさを減らしていくお手伝いをいたします。

※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは

 川越こころサポート室が提供するものを想定しております。

 他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。    

鹿野 豪

川越こころサポート室のロゴ

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