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感情表現について

扉絵

なじみのある言葉を心理学的に深めるのが

今回のブログの目的です。どうぞお付き合いください。

 

テーマは『感情表現』です。

 

まずは、表現、感情、

それぞれの言葉について確認しましょう。

表現とは

表現とは、

心の中の事柄を伝わるように表すことです。

 

言語表現は、話すことや書くことなどです。

身体表現は、表情や身振りなどによるもの。

行為や行動による表現もあります。

絵を描くことや音楽の演奏も表現の方法となりえます。

 

なお、

意図的に表現したわけではないのに

心にまつわる事柄が伝わること

『表出(ひょうしゅつ)』という別の心理学用語が使われます。

感情とは

感情とは、

心に湧いてくる情にまつわるものです。

 

もともと人間の心には様々な情が湧くもので、

昔の人たちがそれらに名前を当てていきました。

喜怒哀楽という言葉もありますが、

なごむ、悔しい、寂しい、切ない、などなど数多くの種類があります。

2000年頃には、かわいらしいと感じて湧く喜びの感情を表す

「萌える」という言葉も広まりました。

 

感情そのものは人類に共通する要素と言えますが、

感情を示す語のくくりは使う言語や時代によってまちまちなのです。

言葉だけでなく、身振りも同じく多様です。

嬉しい時に両手を叩く地域もあれば、自分の頬を触る地域もあるかも知れませんね。

感情表現とは

感情表現とは、

自らの感情について表現することす。

 

感情表現には

(1)自らの心に湧いている感情を捉えて

(2)表現する

という一連の流れがあります。

 

ちなみに、改めて表現と表出の違いを言うとすると、

笑顔を他者に向けるのは感情表現であり、

思わず笑ったというのは感情表出です。

感情表現の意味

感情を表現することの意味は

ひとつではありません。

 

自らの心の中にどういう感情があるのかを

他者に伝えて理解を得ることも、

感情表現の有益な面でしょう。

 

また、

自らの感情に関して

言葉にしたり行動するのが

落ち着きに結びつく場合もあります。

 

いずれにおいても、感情表現は

本人が自らを大切にする糸口を見つけること

に繋がっていると良いと思います。

そう考えたとき、

心の中の感情の存在をくみ取ってもらえるという

感情表現のしがいのある時と場合はあるものの、

その一方で、

表現しても相手に無下にされるといった

感情表現したことで傷ついてしまう時と場合もある

と言えるでしょう。

 

時と場合によって感情表現の意味が変わるというのは

気を付けたいところです。

そこには環境も影響しますし、心理状態も影響するのです。

子どもの感情表現の促進

「表現力」という言葉があるように

表現には技術としての面があり、

誰にでも表現の上達、表現力の向上はあります。

 

ここで、もしも教育や養育といった場で

子どもの感情表現を高めたいとしましょう。

 

その際、大人が子どもに

「心の中の感情を表現するように」と言って

訓練するのは望ましくありません。

確かに説明上手にはなっていくかも知れませんが、

これでは言葉の枠組みが先行になりかねないのです。

 

心の中に湧くという現象から紐解いていきたいものです。

現象に触れるには、

それを自らのものとしてじっくり味わう時間

外から干渉されない余裕も必要です。

そしてそれらの条件を満たす関係性も肝心となります。

(これについてはブルースリーの映画でも示唆されています

 

多くの子どもにとって

感情の扱いは表出が大半でしょう。

笑顔を向けるというよりも、ただ笑います。

内心の苦痛を伝えるよりも、ただ顔をしかめます。

大人はそれを察知して、

背景にある情報を共有し、

共感的な理解を示し、

その意味に沿った言葉を伝えあって確かめていく

といったやり取り、交流を通じて

子どもの感情表現が促進されるのが望ましいと考えられます。

留意点

人の心は複雑です。

矛盾する感情を併存させもします>> アンビバレントの心理)。

いつのまにか状況や価値観・倫理観によって

 

感情に優劣が付けられたりもします。

状況によって表現が許されない場合もあるでしょう。

 

感情表現に関する留意点は、

決めつけに陥らないこと。

そのためには、

感情の感覚を大事にして、表現を過信しないことが肝要です。

 

感情表現は、感情そのものではありません。

感情はもっといろんなことを含んでいるかも知れないのです。

心理カウンセリングでは

心理カウンセリングでは、

個人的な事情をかえりみながら、

体験されてきた・体験される心の中の様々な感情に触れ、

丁寧に表現へと繋げていく取り組みを提供しています。

 

時には「この感情はまだ言葉にできない」といった

体験にも、取り組んでいきましょう。

複数の感情が絡み合う心理状態についても

ありのままを知って、

自らの心を大事にする糸口を見つけていきましょう。

鹿野の顔写真

鹿野豪

公認心理師(登録番号 : 2225)

臨床心理士(登録番号:  17852)

>> はじめまして

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