よく聞く日本語を、心理学的に解説するシリーズ。
今回は『機嫌(きげん)』です。
『機嫌』は心のコンディションを表す用語の一つです。
心のコンディションが
ソワソワしてる、イライラしてる、クヨクヨしてる、など
それぞれの状態にあることで
それに沿った『感情』が湧いてきやすくなる、
と言えるでしょう。
それが『機嫌』です。
ソワソワしてる状態だと、心配が湧きやすい。
イライラした状態だと、怒りが湧きやすい。
そういう状態=コンディションが『機嫌』なのです。
「不機嫌」という言葉があるので、
怒りの感情に結びついたイライラばかりが
機嫌と思われがちですが、
実はそうではありません。
いろんな状態=コンディションを『機嫌』と言います。
その時々の自分の機嫌を把握して
心を整えていきましょう。
機嫌を把握する
どんな時に自分の『機嫌』を確認するでしょうか?
自分の『機嫌』を確認するタイミングは、このふたつです。
(1)心にまつわるなにかが起こった時
(2)まだなにも起こっていない時
それぞれ見てみましょう。
(1)心にまつわる何かが起こった時
頭の中の考えや、実際の発言や行動にも、
それに結びつくコンディション=『機嫌』が関係している可能性があります。
ふり返って「自分の『機嫌』がああだったから、こうなったんだな」と
結果から背景を確認できるでしょう。
(2)まだなにも起こっていない時
「今日の心のコンディションはこんな感じだから、
こういう考えや、発言や行動をしがちかも知れない」
と予測することができます。
自分自身の『機嫌』と、どんな思考や、発言、行動が
生じやすいかを把握しておいて、
「今はどうか」を確認するのです。
(1)も(2)も行なうことで
より対処・対応ができていく面もあるのです。
機嫌を否定しない
対処・対応の方法は様々なのですが、
様々とはいえ、ひとつだけ
共通している大事なポイントがあります。
ここではそのポイントを紹介しましょう。
それは、
自分の『機嫌』を頭ごなしに否定しないということです。
「ソワソワする自分は情けない」
「イライラしちゃダメだ」
「クヨクヨするなと言われた」
など、『機嫌』を否定すると、否定された心は
おのずから対処・対応に向かってくれなくなるのです。
いったん、否定せずにありのままの『機嫌』を受けとめてみましょう。
「自分はいまソワソワしてるんだな。じゃあ、深呼吸で少しは整うだろうか」
「イライラがあるなぁ。軽く運動でもしたら、一旦は収まっていくだろうか」
「どうもクヨクヨしてる。そりゃ、そうなる理由もあるしなぁ。気分転換でも探した方が良いかな」
これらのように、
まずは『機嫌』を否定せずに把握する習慣をつけることによって
感じてはいるけれど呑み込まれていない状態をつくることになり、
その先の対処・対応に結びつきやすくなります。
たしかに、
ひとから「ちょっと、こんなところでイライラしないでよ」と
『機嫌』を否定的に言われることもあるかも知れませんね。
そんな時はまず「ごめん」と返すのがスムーズなコミュニケーションでしょうけれど、
だからこそ、なおさら、自分自身では自分の心の状態に対して
まずは「イライラしてるんだなぁ」といったように
ありのままを受けとめるのが良いでしょう。
「イライラしているのはよくない」という否定が先走ってしまうことで、
「いま自分はイライラしてる『機嫌』だったんだな」が無くなると、
把握がおろそかになります。
まずはありのままの『機嫌』の把握に数秒でも時間を使いましょう。
心を整えるのはそれからです。
心のコンディションを表す言葉
今回は『機嫌』についてご紹介しました。
心のコンディションを表す言葉はもうひとつあります。
それは『気分』です。
『機嫌』が『感情』の湧きやすさのコンディションを表すのに対して
『気分』は、落ち込みの『うつ』←→浮かれの『躁(そう)』を両極とするコンディションです。
もしよければ『気分』という心のコンディションを指す用語にも
関心を向けてみてください。
心理カウンセリング
日々の生活の中で自分の『機嫌』を確認して、
把握して、
対処・対応するというのは
たいていひとりで行なうことです。
その取り組みを「内省」と言ってもいいかも知れませんね。
ただ、誰かと一緒に話しながら検討する方が
効果的な場合もあるでしょう。
その「誰かと」にカウンセラーをご希望の方は
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