『価値観』という言葉があります。
身近な言葉ですが、
心の成り立ちを理解する上でとても重要です。
とっても重要です。
『価値観』には、
文化の『価値観』もあり、
その一方で、
人それぞれ個人の『価値観』もあります。
価値観がもたらすもの
『価値観』が心理的にもたらすもの、
そのひとつが『判断』です。
『価値観』に基づいて『判断』があります。
人は日々、『判断』をしながら生きています。
見たり聞いたものがどんなかを認識したり、
知った内容について自分なりに意味づけしたり、
どうするか行動を決めたり、
…などなどの『判断』が心の中で
『価値観』を背景に行なわれているのです。
『価値観』は、
基準であり、腑に落ちるかどうかです。
『判断』の結果に関係するとしたら、それは
どこが落としどころかであり、気持ちがモヤモヤするかどうかです。
価値観は不確か
『価値観』には、
どこでも誰にでも通じるような「絶対」はありません。
なので、人は難しさを感じます。
妥協を探したり、伝え方を模索したり、齟齬を感じたりします。
『判断』も同様に、
「絶対に間違いない」と言えるものはありません。
ときには思い違いもしますし、自信が揺らいだり、悩んだりもします。
より強固な『価値観』は心の支えになりますね?
でも時と場合によっては
それさえ手放さなければならない時もあるのです。
それは生きていく上で仕方の無いことです。
人は心の中に『価値観』を持ちつつ、
自分の外にある様々な『価値観』に、
時に惹かれ、
時に反発し、
『判断』をしながら生きているのです。
価値観の調整
心は『価値観』の調整を行ないます。
ひとりの心の中にある複数の『価値観』の間で…。
自分と誰か他者の『価値観』でズレが生じて…。
文化にある『価値観』からの圧力を感じて…。
いずれも「絶対」があれば簡単ですが、「絶対」は無いのです。
それに、
「良い『価値観』は積極的に取り入れればいい」と言っても、
「なにが良い『価値観』か」はいったい誰が決めるのでしょう?
エジソンの場合
発明王と呼ばれるエジソンは、
研究で望む結果が出ない時、
それすら「失敗ではない」「前進だ」とみなしていたと言われています。
この『価値観』にもとづく『判断』は、
「失敗を糧に研究を続ける」という発想や姿勢に繋がることでしょう。
…と書くと、
「エジソンの『価値観』は素晴らしい」と
続くように見えますが、ここではそうではありません。
どうして急にエジソンの話をしたかと言うと、
心理カウンセラーである私の関心がそうではないからです。
自己啓発的な方向には向いていない、
「こういう『価値観』が良い」という方向性ではない、
というのをお伝えしたかったからです。
これはあくまで「エジソンの場合」であって、
どこでも誰にでも通じる「絶対」ではありません。
たまたま結果的に発明で名を成したから
彼の『価値観』が語り草になっているに過ぎません。
エジソンの『価値観』をなぞったとして、
例えば私が、発明王になれるわけではないのです。
なれませんよね。
私なりの『価値観』を模索して調整し続けた方が良いのです。
人間の心というのは決して強くはできていないので、
つい語気の強い『価値観』が「正しく」見えてしまうもの。
しかし実際は、「絶対」の無いこの世界で、
自分なりの『価値観』を確かめつつ変化させていくのが常なのでしょう。
価値観とのつきあい方
『価値観』と、どうつきあっていけば良いか。
そのコツは、頭ごなしの否定をしないことです。
そして、適度な距離をとることです。
自分の『価値観』を頭ごなしに否定する。→『判断』がしにくくなります。
他者の『価値観』を頭ごなしに否定する。→人間関係がこじれます。
世の中の『価値観』を頭ごなしに否定する。→視野が狭まることに繋がります。
頭ごなしに否定せず、
相反する『価値観』をぶつからない距離で共存させる、
そこが狙いどころです。
心の中。現実。それぞれであり、両方です。
個人での『価値観』とのつきあいを超えて、
「あの人が、自分の『価値観』を頭ごなしに否定してくる」といった
悩みも起きます。
いなし方、距離の取り方を検討するのが良いかも知れませんし、
そこに強い脅し要素があれば外から第三者に介入してもらうのが適切かも知れません。
心理カウンセリング
誰もが『価値観』を持っています。
周りの人や文化の『価値観』もあるでしょう。
心理カウンセリングでは、
ご自身の『価値観』、影響を受けた『価値観』、
周りの『価値観』、合う、合わない、
どんなことでもお話ししてみてください。
いずれも否定されることはありません。
心理カウンセラーとの対話を通じて
『価値観』とのつき合い方について
理解を深めていただければと思います。
※ 当ブログで記す 「心理カウンセリング」 とは
川越こころサポート室が提供するものを想定しております。
他機関の専門性を保証するものではないことをご了承ください。
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